KP34

 表現力豊かな空間をつくるには、職人技術による現作品や造作品を使わなければ成し得ないのか。既製品や工業製品を活用しながらつくりだせる空間の可能性を考えた。

 通行人や隣家の視線、雑踏など周辺環境の影響を受けないプライベート空間の理想の形は。住空間のプライベート性を高めながら、外部、周辺環境との繋がりを保つには。閉鎖性と開放性という相反する要求は両立できるのか。可能性を考えた。

 住空間はLDKのように家族が交流する場と、寝室や子供部屋のように個人のテリトリーとなる場の集合である。利用方法、機能性だけでなく、利用される時間帯も違う為、それぞれの空間がバラバラになりがちである。LDKが1Fで寝室や子供部屋が2Fの場合は、住宅は上下階に分断されている。吹き抜けやリビング内階段で繋げようとしても、表面的な繋がりだけで終わっている場合がある。きちんと繋がっていれば、リビングとダイニングとキッチンの関係性のように、双方向の家族交流が生まれたり、人の滞在が生まれるはずである。

 住宅内の空間全体を緩やかに繋ぎ、境界を曖昧にする手法はどのようなものが考えられるのか。

 ひとつのモデルを提案した。

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